とうとう、このカテゴリーでの記事が記念すべき第100号となりました。
100番目の記事はどうしようかって、数日前から悩んでいましたが、先日(金曜日)にスタートした連続ドラマ
「
宿命1969-2010」が久々に楽しめそうな予感がするのでここで取り上げることにしました。
宿命1969-2010は
楡周平(にれ・しゅうへい)さんの「
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」が原作となっています。
ワンス・アポン・ア・タイム・・・・といえば、まず思い浮かぶのは
1984年公開の
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカですね。
セルジオ・レオーネ監督の遺作であり代表作であるギャング映画です。
私の最も好きな映画のうちの
ベスト5に入る映画で229分の完全版のDVDを所持しています。
禁酒法時代のアメリカが舞台で、成り上がっていくギャングを
ロバート・デニーロが好演しています。
・・・また見たくなってきたな、DVD見ることにしよっと。
それはさておき、今回は楡周平の作品ということで、私は残念ながら彼の作品で読んだことがあるのは
「
フェイク」のみなのですが、彼の作品のハードボイルドな雰囲気は大好きなので、今回のテーマからいってもかなり期待ができると思います。
もうひとつ期待できる理由のひとつが主演の
北村一輝
彼は役柄と同じ1969年生まれの現在40歳。
奇しくも「龍馬伝」の
福山雅治と同い年でもあります。
福山が20代から、
ひとつ屋根の下などのヒットに恵まれたのとは対照的に、
北村一輝は今回が連ドラ初主演という、遅咲きといってもいい俳優です。
映画ではあのヒット作「
キルビルvol.1」に端役で出演していたり、連ドラは1990年より実に35作品ものに出演していたりします。
私が彼を最初に認識したのは、2006年の「
夜王」です。主人公のライバルホスト役(聖也)だったのですが、主演であったTOKIO松岡を凌駕する
存在感と独特の
色気に凄いインパクトを感じたことをはっきり記憶しています。
その後も前述の福山と共演した「
ガリレオ」などヒット作に恵まれ、
記憶に新しい、昨年の大河ドラマ「
天地人」において越後の雄
上杉景勝を好演し、個性派俳優の座を磐石にしました。
単なる男前に終わらない、彼の一癖も二癖もあるキャラクターに注目です。
前置きが長くなりましたが、「宿命1969-2010」について・・・
1969とは主人公有川崇の生まれた年であり、あの
東大安田講堂事件が起こった
全共闘運動が最も盛んであった年であります。この頃、大学生であった世代を全共闘世代といい、全体の15%が学生運動に関わったといわれます。この物語を楽しむにはこのあたりの時代背景をしっかり理解する必要があるでしょう。
全共闘世代(1942-1949生まれ)というと弊社社長や、私の両親もこれにあたります。すなわち全共闘世代とは
団塊世代を包括する世代であり、現在日本において最も人口比率を占める世代となるわけです。
この世代と主人公である有川崇の
団塊Jr世代(正確には1970-1974だが)を
メインターゲットとしたドラマであることがうかがい知れます。
有川崇・・・
全国に50以上もある有川病院グループの御曹司。それを継ぐのではなく、東大法学部を出、国家公務員Ⅰ種試験に合格後、同期トップの成績で財務省に入省。現在主計局主計官であり、行く末は次官とも言われているが、本人には政界進出の野心があるよう。
有川三奈・・・
崇の実母であり、良き理解者。有川グループの実質的総裁(夫はいるが、崇にとって継父である)。彼女は、全共闘世代にあたり、かなり熱心に学生運動に参加していたよう。このことが物語の大きな鍵になりそうな予感。
笹山宣子・・・
崇と十年間付き合った女性。MBAも取得した才女。九州(方言から)のごく普通のサラリーマンの家庭に育ち、自身の家が有川家と釣り合わないことを自覚し、ひたすらキャリアを積んできた。現在は、やり手の為替ディーラーで前年の年棒は4000万円。父との電話での会話の中で、お見合い話を断り、もうすぐいい人と一緒になるなどの発言から、当然、崇と結婚する気持ちであった。
白井尚子・・・
民自党政調会長の長女。恋愛と結婚は別。結婚は家と家との結びつきなどの発言があり、強く政治家の娘であることを意識している。父の命により、崇との見合いを承諾する。
白井眞一郎・・・
民自党政調会長。自身もゼネコンを持つが、現在経営状態が思わしくなく、資金力に問題あり。そのため、子供は娘2人のみの彼にとって長女には当然婿をもらうべきところを、有川家に尚子を嫁がせる決断をする。
彼も、東大卒旧大蔵省出身の元キャリアであり、全共闘世代。学生運動に明け暮れていた三奈に「
君たちの運動なんかで日本は変わるものか・・・俺は俺のやり方で日本を変えるよ。国家の中枢に食い込み、中から変える。君と俺のどっちが正しいか。やがて歴史が証明するよ。」と発言していた。彼自身は貧しい出で、白井家の婿養子である。
崇を巡る
三角関係だけだと、よくある昼ドラで終わってしまうのですが、この全共闘時代という背景と、政治というテーマがどう絡んでくるのかが非常に楽しみです。
第1回のストーリーは
ある日突然、主人公有川崇に財務省事務次官から
「別室で話がある」
と声がかかります。
「白井民自党政調会長からお嬢さんと君とのお見合いを打診された」
と。崇が、
「有川家の長男である私が、白井家に婿入りするわけにはいかない」
と断ると、
「そうではなく、嫁にもらってほしいそうだ」
との答え。
なぜ、自分なのか?と崇は訝り、その裏にある、有川家の財力を狙った白井の思惑に気づきます。
しかし、崇自身も政界進出の野心があり、これをチャンスと捉え、お見合いすることにします。
そして、ホテルのBAR(?)を借り切っての2人だけのお見合いが行われます。
箱入り娘かと思った白井尚子から、初対面にも関わらず、歯に衣着せぬ物事の核心をつく発言。
「この縁談は利害から出発している。どんな形で出発しようとも、幸せは得られるもの。愛情は育てるものと母から教わった」
凄く印象に残る言葉でした。
この日、崇は自分の政界進出の野心に尚子が既に気づいていることを知り、驚くと同時にこの縁談にかけてみようという気持ちになります。
尚子をタクシーに乗せ、自分も別のタクシーで自宅である高級マンションに帰宅します。
その前で、待っていたのは10年来の恋人である笹山宣子。
「今日は私の誕生日だから・・・あなたのおめでとうが直接聞きたかったの」
いつまでもプロポーズをしてくれない崇に、この夜宣子はある方法で勝負をかけ、結婚を迫ります。
しかし、逆に崇は冷然と別れを切り出します。
「終わりにしよう・・・すまない」
宣子は当然納得できるはずもなく、探偵を使い、崇の近辺調査を始めます。
そこで、白井尚子の存在に気づきます。
彼女がこれからどういった方法で復讐を行うのか・・・。
あなおそろしや。
奥田瑛二や、真野響子(眞野あずさの実姉)、田中健、小池栄子となかなか多彩なキャストが出揃いました。(最近のやたらに若い奴ばかりのイケメンブームに辟易していたので・・・)
第1回のラストシーン
国会議事堂をバックに崇と尚子が歩いています。
崇「必ず連れてくよ。君を最高の場所に」
尚子「どこ?」
崇「遥か遠い場所」
画面切り替わり・・・
宣子「認めない・・・あたしだけ負けて終わりだなんて」
今回見逃した方も、第2回から一度ご覧になってみては??
今回は、まちづくりにも守山にも全く関係のない話題を取り上げましたが、記念すべき第100号の記事ということでお許しくださいませ。